仏の国での修行 vs この世での修行

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さて仏の国での修行とこの世での修行、どちらの方に価値があるか。

 

浄土宗で大切にしている経典の一つ『無量寿経』に「この世において十日十夜(じゅうにちじゅうや)の間善い行いを修めることは、仏の国で千年善い行いを修めることに勝る」と説かれています。

 

というわけで勝者は「この世での修行」

 

とはいえあの世での修行に価値がないということではなく、人の心も濁り、悪がはびこるこんな世の中だけど、みんな悲観せず頑張ろうじゃないかとお釈迦様は励まして下さっているのです。仏の国では周りは皆善人ばかりで悪さをする者がいないから、善を積む環境も整っていてやりやすい。一方、この世では皆煩悩にまみれており、善を積むには厳しい環境にある。そんな場所だからこそ、どんなに小さな善であっても、仏の国でなす善行の千倍もの値打ちがあるもんだよ、と私たちにエールを送って頂いているのです。

 

そこで、じゃ頑張ってお念仏をお称えしようではないかということでお勤めするのが、浄土宗寺院で11~12月にかけて盛んに行われる、この経文の十日十夜が由来となっている十夜(お十夜、十夜会、十日十夜会、十夜正覚会など呼び方は様々)という行事です。お盆やお彼岸に比べると馴染みのない行事かもしれませんが、浄土宗寺院にとっては大切な行事です。