先月に続き仏教詩人、坂村真民さんの詩から。(「ただそれだけ」全文は最後に)
「自然が美しいのは、自然がこちらに全く無関心だから」
ドイツの哲学者ニーチェのことばです。私たちが「やっぱり桜はきれいだな」「あ~桜も終わりだな」と一喜一憂している一方、自然の方はというと、全く私たちに無関心です。人間様に褒めてもらうためにきれいに咲こう、頑張って長いこと咲いていようなどとは思わないのです。「ただ咲き、ただ散る」。その利害や評価、計算から解放された「ただそれだけ」の美しさに私たちは魅かれるのかもしれません。
「ただそれだけ」 坂村真民
宗教臭い人間になったら もうおしまいだ
仏教臭い人間になったら もうおしまいだ
詩人臭い人間になったら もうおしまいだ
人を救うんだ 人を助けるんだ
そういうことを 口にする人間になったら もうおしまいだ
花咲き
花散る
ただそれだけ
それでいいのだ
ただ黙っていても 心が結ばれてゆく
そういう人間にならねばならぬ
