作家の開高健が好んだ言葉です。ラテン語の「Festina Lente(ゆっくりと急げ)」が元。「悠々として急げ」と訳すとたちまち名言の雰囲気がでてきます。
自分の益になるものであると知り得ることを、
あらかじめ為すべきである。
無暴な車夫のような思いによらないで
賢者はゆっくりと邁進すべきである
(ブッダ『ウダーナヴァルガ』)
安全運転が自分のためになるのだと分かっているならば、安全運転をすべきなのです。「急がばまわれ」です。しかし分かっているのにできないのが人間の愚かなところです。
最近の車はシートベルトをしないと発進させてくれません。蛇行運転をしていれば、警告音が鳴り、ハンドルが勝手に動き正しい位置に押し戻されます。もはや機械に操られ出したら、「いけない、私は為すべきことをしていない」と反省せねばなりません。
私たちの命は火が灯されたロウソクのようです。どんどん短くなっていきます。与えられた時間は刻一刻と減っていきます。ぼんやりとしている場合ではありません。しかし、悠々として急ぐのです。心に余裕を持ち、着実に、思慮深く。
